季節の絵本
『じっちょりんのあるくみち』かとう あじゅ
●あらすじ
団地の隅に住むとても小さなじっちょりんかぞく。はなびらやはっぱは食べますが、種だけは取って置きます。そして、どんぐりのぼうしで作った鞄を背負って出発します。
「よし、ここに種を植えよう」
パパじっちょりんが種の入った鞄の蓋を開け、コンクリートの道や壁の小さな隙間の中に種を植えます。
「きれいな花が咲きますように」
太陽が沈む頃、階段を登ると…
●感想
じっちょりん家族は女の子に見つからないように隠れたり、突然現れた犬に驚いたり、大きな靴を上手に避けたり、様々なハプニングも家族で協力し、楽しみながら丁寧に種を植えている姿が微笑ましいです。特に小さな体全身で驚く姿がクスッとなります。
「ここにも花が咲いたらいいね」
誰に頼まれたわけでもないけれど、本来ならば咲かなかったかもしれない場所に花を咲かせるじっちょりん家族。細かく柔らかく描かれた花の絵も素敵です。
コンクリートから出てきたタンポポを見つけたら『じっちょりんが撒いたのかな?』と子どもに言ってみると喜びそうで、いつもと違ったお散歩ができそうです。